1. 営業分析でできること
営業分析タブでは、顧客管理システム(CRM)に蓄積された営業活動データを可視化し、営業プロセスの効率性や成約パターンを定量的に把握できます。マネジャーは部門全体の動向を、セールスは個人別パフォーマンスを確認し、迅速な施策立案に活かせます。
主要な分析軸
- パイプラインファネル: リード→商談→成約までの段階別人数と転換率
- ライフサイクル分析: リード源別の成約率・顧客生涯価値(LTV)
- KPI ダッシュボード: アクティブ顧客数・当月成約数・平均商談期間など経営指標
- リードソース ROI: SUUMO・HOMES・直営など媒体別の投資対効果
- スタッフ別パフォーマンス: 担当者ごとの成約数・成約率・平均金額
- 期間フィルター: 今月・先月・過去 3 ヶ月・カスタム期間で動向追跡
ダッシュボード対応: すべての分析結果は PDF 出力 / CSV エクスポート 対応。経営会議・営業会議・個別面談の資料として即座に活用できます。
2. ファネル分析の見方
パイプラインファネルとは
営業プロセスの各段階(ステージ)でどれだけの顧客が残っているか、段階ごとにどの割合が次へ進むかを視覚化したものです。ULSAPO では以下のステージを標準用意しています:
| ステージ | 定義 | 典型的な施策 |
| リード | 初期接触後、ヒアリング前 | 資料送付・フォローメール |
| 接触中 | 物件紹介・利回り計算中 | 内見提案・書類作成 |
| 商談中 | 検討段階、質問/比較中 | 詳細説明・残金調整 |
| 成約 | 合意書署名済み | — 完了 — |
転換率(Conversion Rate)の読み方
各段階から次の段階への進捗割合です。例えば、「リード→接触中: 60%」なら、リード 100 件のうち 60 件が実際にヒアリングに進んだということです。
ポイント 1
転換率が落ち込む段階を発見 — 例えば「商談中→成約」で 30% しか成約しないなら、見積書の説得力やタイミングの改善が必要な可能性
ポイント 2
月ごとの変動を注視 — 先月 60% の転換率が今月 40% に落ちたら、営業トークの変更や競合情報の確認を
ファネル分析の活用シナリオ
- 「成約数が減少した」 → ファネルの最上部(リード)が少ないのか、中盤の転換率が悪いのかを特定
- 「営業効率を改善したい」 → 最も転換率が低いステージに集中投下
- 「新人営業の育成」 → 新人と経験者のファネル形状を比較して学習ポイントを特定
3. ライフサイクル分析(リードソース別)
リードソースとは
顧客がどの経路で御社を知ったかを示す属性です。SUUMO・HOMES・アットホーム・ポータルサイト・紹介・直営サイト など複数の源泉から顧客を獲得している場合、ソース別に成約率や LTV を分析できます。
ライフサイクル分析で見えるもの
| 指標 | 計算式 | 活用例 |
| 成約率(Conversion Rate) | 成約数 ÷ 総リード数 | SUUMO: 15% vs 直営: 25% → 直営強化 |
| 平均商談期間(Days to Close) | 成約までの平均日数 | 紹介: 7日 vs SUUMO: 21日 → 対応スピード向上 |
| 顧客生涯価値(LTV 推定) | 成約後 12 ヶ月の利回り/手数料合計 | 源泉ごとの採算性判定 |
| ROI(概算) | 成約からの利益 ÷ ポータル掲載料 | ポータル継続/撤退の判断 |
リードソースの登録: 顧客作成時に「どの媒体から来たか」を入力することで、このライフサイクル分析が自動で計算されます。CRM で顧客編集時に「リード源」を入力してください。
ライフサイクル分析の活用シナリオ
- 「マーケティング予算の最適配分」 → ROI が高いソースに注力投下
- 「新媒体の立ち上げ評価」 → 試験導入 1 ヶ月後のライフサイクル指標を確認
- 「既存顧客との関係深化」 → LTV が高いソース出身の顧客に定期フォロー
4. KPI ダッシュボード
デフォルト KPI 一覧
| KPI 名 | 定義 | 目標設定例 |
| アクティブ顧客数 | 過去 30 日に接触/更新があった顧客 | 100 件/月 |
| 当月成約数 | 今月中に成約ステージに到達した顧客 | 10 件/月 |
| 平均商談期間 | リード初期接触から成約までの平均日数 | 21 日以内 |
| 成約率(全体) | 総リード数に対する成約数の割合 | 12% 以上 |
| パイプライン価値 | 現在「商談中」ステージの顧客の予想成約金額合計 | 500 万円以上 |
| 問い合わせ応答時間(中央値) | 反響から初回対応までの時間 | 2 時間以内 |
KPI の読み方(トラフィックライトモデル)
- 緑 — 目標達成 100% 以上
- 黄 — 目標達成 70~99%(注意が必要)
- 赤 — 目標達成 70% 未満(即応が必要)
目標値のカスタマイズ: 各 KPI の目標値は、組織設定画面から自由に設定可能です。四半期ごとに見直し、営業戦略の軌道修正に活かしてください。
KPI 活用の実例
- 「当月成約数が目標 10 件に対し 6 件」 → 商談中パイプラインをチェックし、決定支援フォローを強化
- 「応答時間が 8 時間」 → 早朝メール対応の仕組みや当番制導入を検討
- 「パイプライン価値が急減」 → 失注顧客の理由ヒアリング・提案内容の見直し
5. スタッフ別パフォーマンス
スタッフ別指標
| 指標 | 定義 | 活用ポイント |
| 担当顧客数 | 各スタッフに割り当てられた顧客の総数 | 負荷分散判定 |
| 当月成約数 | 個人の月間成約数 | インセンティブ・表彰対象 |
| 成約率(個人) | 担当顧客のうち成約に至った割合 | 営業スキル評価 |
| 平均成約金額 | 個人の成約顧客の平均商談金額 | 大型案件への適性評価 |
| 平均商談期間(個人) | 個人の商談期間(短いほど意思決定が早い) | 交渉力・提案力の評価 |
| 顧客満足度(NPS) | 成約後の顧客アンケート平均スコア | リピート・紹介確度 |
スタッフ別分析の活用シナリオ
シナリオ 1
ハイパフォーマーの行動分析 — 成約率 20% 以上のスタッフの提案文言・フォロータイミングを記録し、組織全体に展開
シナリオ 2
新人育成 — 新人の成約率が 2% の場合、成約率 15% のメンターとの対比分析から課題を特定
シナリオ 3
負荷分散 — 「A さん 150 件 vs B さん 80 件」の不均衡を発見し、新規配分を調整
スタッフ別パフォーマンス活用上の注意
- 成約率は「努力度」だけでなく「配置戦略」に影響される(大型案件担当 vs 小型案件担当)
- 平均商談期間が長いスタッフ = スキル不足ではなく、複雑案件を多く扱っている可能性
- 月単位の変動は重視しすぎず、四半期ベースで評価することを推奨
6. 期間絞り込みとフィルター
期間フィルターの種類
| フィルター | 対象期間 | 用途 |
| 今月 | 1 日~当日 | リアルタイム営業進捗確認 |
| 先月 | 前月 1 日~末日 | 月次レビュー・経営報告 |
| 過去 3 ヶ月 | 当日から 90 日前まで | トレンド分析・季節変動把握 |
| カスタム期間 | 任意の開始日~終了日 | 四半期別分析・キャンペーン成果測定 |
| 過去 1 年 | 12 ヶ月分 | 年間目標達成度評価 |
そのほかのフィルター(検索条件)
- リード源フィルター: SUUMO のみ、HOMES のみなど媒体別に絞り込み
- ステージフィルター: 「成約」のみ抽出、「成約待ち」に限定など
- スタッフフィルター: 特定スタッフの成績のみ表示
- 地域フィルター: 東京都のみ、特定県など地域別集計
- 顧客タイプフィルター: 個人投資家のみ、事業法人のみ など
複合フィルターの活用
複数のフィルターを組み合わせることで、より詳細な分析が可能です。例:
- 「SUUMO 由来 × 過去 3 ヶ月 × 東京都」で、SUUMO の東京利用者の成約成績を把握
- 「営業 A さん × 事業法人 × 成約ステージ」で、事業法人向け営業の実績を集計
フィルター保存機能: よく使う検索条件は「名前付き保存」でき、次回ログイン時にワンクリックで復元できます(プロ向け機能)。
7. レポート出力(PDF / CSV)
PDF 出力
現在画面に表示されているファネル・KPI・スタッフ別パフォーマンスを一括 PDF 化できます。経営会議の資料や営業会議のレジュメに即座に活用できます。
ステップ 1
画面右上の 「PDF出力」 ボタンをクリック
ステップ 2
「レポート名」(任意)と「出力範囲」(全セクション / ファネルのみ など)を選択
ステップ 3
「生成」をクリック → ブラウザの標準 PDF ダウンロード機能で保存
CSV エクスポート
顧客単位の詳細データを CSV 形式でエクスポート。Excel で加工・分析が必要な場合に活用します。
| 項目 | 備考 |
| 顧客 ID | CRM 内の一意識別子 |
| 氏名・会社名 | - |
| リード源 | SUUMO, HOMES など |
| 現在ステージ | リード / 接触中 / 商談中 / 成約 |
| 成約日 | 成約に至った日付(成約顧客のみ) |
| 成約金額 | - |
| 担当者 | - |
| 初期接触日 | 最初に「リード」として記録された日付 |
注意: エクスポート CSV には顧客の個人情報(電話番号・メールアドレス)も含まれます。外部共有の際は内容確認・マスキングを実施してください。
印刷出力
PDF 出力以外に、ブラウザ標準の印刷機能(Ctrl+P / Cmd+P)でも出力可能です。ただし、ガイド線・グラフの色設定は、ブラウザの「背景色も印刷する」オプションを有効にすることを推奨します。
8. データの解釈と活用シナリオ
営業分析から施策へのフロー
- 現状把握: 今月のファネル・KPI・スタッフ別成績を確認
- 課題特定: 「成約数が目標対比 70%」なら、ファネルのどこに問題があるか特定
- 原因仮説: リード不足か、転換率低下か、単価低下か を仮説立て
- 施策立案: ポータル掲載費増額 / 提案文言改善 / ターゲット層変更 など
- 実行と測定: 施策実行後、翌月のデータで効果測定
典型的な活用シナリオ
シナリオ A: 急落ファネル対応
「先月 50 件の成約 → 今月 30 件に落ち込んだ」という急落ケース:
- ファネル上部(新規リード)が 200 件 → 100 件に半減 → リード源の減少が根本原因
- ポータルサイトの掲載位置低下やキャンペーン終了を確認し、掲載強化やリマーケティングを実施
シナリオ B: 転換率低下対応
「リード数は同じ(200 件)だが、成約は 50 件 → 30 件に低下」というケース:
- ファネル中盤の「商談中→成約」の転換率が 30% に低下(先月は 50%)
- 見積書・提案資料・営業トークの改善、または競合増加の可能性を調査
シナリオ C: リソース配分最適化
「営業 A さんは成約数は多いが顧客満足度(NPS)が低い」というケース:
- 成約後フォロー不足 or 過度なセールストークが原因の可能性
- リピート率・紹介率の低さから、長期 LTV に悪影響
- 成約数よりも顧客満足度重視の評価体系を検討
シナリオ D: 新人育成
「新人営業の成約率 5% が業平均 12% より著しく低い」というケース:
- 経験者とのペアワーク、提案ロールプレイ、顧客タイプ別トークスクリプト習得を加速
- 3 ヶ月後に再分析し、成約率 10% 到達を目安に次ステップへ
9. よくある質問
ファネルの「接触中」と「商談中」の境界は何ですか?
接触中は初期ヒアリング~物件/案件紹介段階、商談中は詳細検討~合意交渉段階です。具体的には、顧客が「見積書を受け取った」「質問が出始めた」というタイミングで「商談中」に遷移させることが多いです。
KPI の目標値が達成できません。どうしたら良いですか?
まずはファネル分析で課題の所在を特定してください。目標値そのものが過度に高い可能性も考慮し、四半期ごとにリバイスすることを推奨します。
スタッフ別パフォーマンスで同じスタッフの成績がばらつくのはなぜ?
月ごとの配置内容(大型案件 vs 小型案件)、担当地域、顧客層の違いが影響します。短期変動は重視せず、四半期ベースで評価することを推奨します。
CSV エクスポート時に個人情報を含めないようにできますか?
現在は一括設定対応していません。Excel でエクスポート後、電話番号・メールアドレス列を削除して外部共有してください。
ライフサイクル分析で LTV が計算されていません。
LTV 計算には成約後の契約金額または利回り情報が必要です。CRM の顧客レコードで「成約金額」を入力してください。
リードソース別の売上比率が実際と合いません。
反響メール取込や CRM 自動同期で、リード源が「未分類」に陥っている可能性があります。定期的に CRM で顧客属性をレビューし、リード源を正確に入力してください。
過去 1 年のトレンドを見たいのですが、シーズンごとの分析方法は?
カスタム期間フィルターで Q1(1-3 月)、Q2(4-6 月)…と 4 つのレポートを生成し、通年で比較することが一般的です。定期的にスプレッドシートに数値を記録しておくと、年間トレンドが見やすくなります。