書類管理(#documents) 完全マニュアル

売買・媒介・重要事項説明書から賃貸借契約まで、不動産契約書類を一元管理

✍️ 書類管理でできること

不動産取引に必要な全ての契約書類を ULSAPO 内で一元管理。
売買契約・媒介契約・重要事項説明書・賃貸借契約を、AI 草案生成 → 手動編集 → ワークフロー管理 → 電子サイン送付 の完全フロー対応。
民法改正(改正民法 第 566 条・第 465 条の 2)に対応し、監査ログ・個人情報法対応削除もビルトイン。

⚠️ 重要な注記: ULSAPO で生成される書類は参考書式・草案です。実際の契約には必ず不動産業界の専門家(弁護士・司法書士・宅建業務経験者)による最終レビューが必須です。生成結果の法的責任は業者側が負います。

1. 書類の種類と使い分け

売買契約書 3 種類の違い

種別 用途 対応法令 選択基準
標準版 一般的な個人間売買 民法(改正民法 566 条・465 条の 2 対応) 売主が個人の場合。最も汎用的。
業者売主版 宅建業者が売主の場合 宅建業法 §37 条の 2(クーリングオフ)、§39 条(手付金制限)、§41 条(手付金等保全)、§40 条(契約不適合責任特約制限) 売主が宅建業者。手付金保全・瑕疵担保が強化。
建売版 新築建売住宅 建築基準法・住宅の品質確保の促進等に関する法律 新築建売。工事完成前引渡し・確認済証・性能評価等の条項を含む。

媒介契約書 3 種類の違い

種別 他業者への依頼 自己発見取引 指定流通機構(レインズ) 特徴
専属専任 不可(禁止) 不可(禁止) 必須(5 日以内登録) 業者の責務が最大。最も制約が強い。営業活動にコミット。
専任 不可(禁止) 可能 必須(7 日以内登録) 売主の自己発見取引はできるバランス型。
一般 可能 可能 任意 複数業者に並行依頼可能。競争型。業者の動機が相対的に低い。

重要事項説明書(重説)

買主に対して契約前に宅建士が説明すべき重要事項を記載する書類。以下の情報をカバーします:

AI 草案生成機能: 顧客・物件情報から自動生成。宅建士がレビュー・説明用に修正し、契約前に買主の同意を取得・保管します。

2. 売買契約書・媒介契約書の詳細

売買契約書の主要条項

改正民法 566 条

売主の瑕疵担保責任。隠れた瑕疵は責任期間内(通常 3 ヶ月)に買主が請求可能。売主が宅建業者の場合は最低 2 年。個人売主と業者売主で責任が異なります。

改正民法 465 条の 2

金銭債務の特約制限。継続的給付契約で極度額の設定が必須。担保権の行使時に上限を超える請求は無効化されます。

媒介契約書の主要条項

3. 賃貸借契約書(普通借家・定期借家)

契約種別 契約期間 更新 解約条件 用途
普通借家契約 2 年(一般的) 自動更新可(貸主が拒否しない限り) 借家人は 1 ヶ月前通知で解約可 長期居住向け。最も一般的。借家人保護が強い。
定期借家契約 契約期間で満了(更新なし) なし(再契約は可) 期間満了時に自動終了。中途解約は原則不可。 転勤赴任・リノベ賃貸。貸主の意思を強く反映。借家人保護は弱い。
定期借家契約の注意: 借地借家法第 38 条に基づく契約で、貸主の「自由終了権」が強力。中途解約は契約書に別途特約として明記し、解約金の基準も決めておく必要があります。

賃貸借契約の主要条項

4. 書類を作成する 3 つの方法

方法 1: 一から手動入力

1 書類管理タブを開き、「契約書類」→「新規作成」をクリック。
2 書類種別を選択(売買契約 / 媒介契約 / 重要事項説明書 等)。
3 空白テンプレートが開く → 全フィールドに入力(当事者・物件情報・特約等)。
4 保存 → ワークフロー進行(下書き → レビュー → 確定)。

方法 2: AI 草案自動生成

1 新規作成画面で「AI 草案生成」ボタンをクリック。
2 顧客情報(氏名・住所・連絡先)と物件情報(所在地・面積・価格等)を入力。
3 AI が数秒〜10 秒で草案を生成。条文番号・民法改正対応を含めた完全な書式が出力。
4 特約・特記事項を手動追加 → 宅建士等がレビュー → 確定。
AI 生成の精度: 基本条項(当事者・物件・価格)の精度は 95% 以上。特約・法的特殊事情には必ず専門家レビューが必要です。

方法 3: テンプレートを複製して編集

1 過去の契約書から「複製」を選択。
2 新規案件の当事者・物件情報を上書き。
3 特約は前回の設定を保持(修正・削除可)。
4 差分をレビューして確定。効率的かつ法的統一性を保証。

5. 特約ライブラリの使い方

よく使う特約を定型テンプレート化。ボタン 1 回で追加・カスタマイズが可能。

利用可能な定型特約

特約名 概要 対象
融資利用特約(ローン特約) 買主の融資申込が未承認の場合、白紙解除可。手付金全額返還。 売買契約
クーリングオフ特約 宅建業者が売主の場合、契約後 8 日以内に解除可(宅建業法 §37 条の 2)。 売買契約(業者売主版)
瑕疵担保免責特約 売主の瑕疵担保責任を全部または部分的に免除(個人売主向け)。 売買契約
修繕積立金清算特約 マンション取得時の修繕積立金の按分・精算方法を明記。 売買契約(マンション)
つなぎ融資利用特約 住宅ローン実行前のつなぎ融資を利用する場合の条件。 売買契約
ペット飼育特約 賃貸借契約で犬・猫の飼育を認める場合(頭数・種類制限)。 賃貸借契約
楽器演奏許可特約 賃貸借契約でピアノ等の楽器演奏を認める場合の音量制限等。 賃貸借契約

民法改正対応の特約

改正民法 566 条 改正民法 465 条の 2

カスタム特約の作成

1 特約ライブラリ画面で「カスタム特約を追加」をクリック。
2 特約名・本文テキストを入力。法文番号の参照が可能(民法条番自動補完)。
3 保存 → 同じ業者の全ての書類で再利用可能に(個社オリジナル特約の統一化)。

7. 書類ワークフロー

書類は下書き → レビュー → 確定 → 電子サイン送付 の 4 段階を経由。段階ごとに権限・操作を制御。

ワークフロー状態遷移(migration #146)

【下書き】
  ↓ 「レビュー待ちに変更」
【レビュー待ち】
  ↓ 弁護士・宅建士がレビュー・修正
【レビュー中】
  ↓ 「承認」または「差戻し」
【確定】 ← または【下書き】(差戻し時)
  ↓ 「電子サイン送付」
【サイン待ち】
  ↓ 相手方署名完了
【完了】

各段階の操作

状態 作成者 レビュアー 相手方 次へ
下書き 編集可、削除可 閲覧のみ 未公開 レビュー待ちに
レビュー中 読取専用 編集可(修正・コメント) 未公開 承認 / 差戻し
確定 読取専用 読取専用 未公開 電子サイン送付
サイン待ち 読取専用 読取専用 署名待ち(メール通知) 署名完了 / 期限延長
権限管理: 管理者が「レビュアー権限」を宅建士 / 弁護士に付与。その者のみが確定前のレビュー・修正が可能(責任追跡の確保)。

8. 監査ログと変更履歴

全ての書類操作を記録。いつ・誰が・何を・なぜ変更したかを改ざん不可に保存(#111)。

監査ログに記録される項目

監査ログの参照

1 書類詳細ページで「変更履歴」タブをクリック。
2 時系列で全ての修正・操作が表示(最新順)。
3 修正理由のテキストサーチで「◎年◎月の契約価格修正」等を検索可能。
コンプライアンス: 監査ログは最低 7 年保持(不動産取引の重要書類保管基準に準拠)。削除・改ざんはシステム側で不可(管理者権限でも実行不可)。

9. PDF / 印刷出力

契約書を印刷用 A4 レイアウトで PDF 出力。電子契約・紙契約の両対応。

出力機能

印刷・PDF 出力の手順

1 書類を「確定」状態に変更。
2 画面右上の「PDF 出力」ボタンをクリック。
3 A4 整形済み PDF が生成 → ブラウザでプレビュー。
4 「ダウンロード」または「印刷」を選択。
認証 & セキュリティ: PDF 出力は暗号化済み(#145)。/exports/ パス(403 アクセス制限)で一時保管。ダウンロードトークンは 24 時間有効。ダウンロード履歴も監査ログに記録。

10. データ保護と削除(個人情報法対応)

不動産仲介業の個人情報保護規程に準拠。顧客削除時も法的責任を果たす仕組みを用意。

論理削除と物理削除

種別 実装方式 復旧 用途
論理削除 DB 上は保持(deleted_at フラグ ON)、UI から非表示 管理者が復旧可 個情法申告(顧客削除要求)への対応。削除後も監査ログ・同意保全は参照可。
物理削除 DB から完全削除(バックアップも対象化) 復旧不可 30 日論理削除後、自動実行。または管理者が手動確認後に物理削除可。

削除フロー(#112)

  1. 顧客削除申告: 顧客が「データ削除」を申告 → 管理者画面で確認。
  2. 論理削除 Day 0: 該当顧客・その顧客の全ての書類が非表示化。ただし監査ログ・同意保全は保持
  3. 論理削除 Day 30: 復旧可能期間を 30 日経過 → システム自動で物理削除実行。
  4. 物理削除確認: 管理者が物理削除ログで確認書を生成。顧客に「削除完了報告書」を送付。
個人情報法対応: GDPR・CCPA 等の各国プライバシー規制に準拠した設計。監査ログが 7 年保持される理由は、不動産取引の法的要件(国交省通達)と個情法のバランスを取るため。

11. よくある質問

Q1: AI 生成した草案は使ってもいいですか?それとも参考書式ですか?

A: ULSAPO の AI 生成書類は参考書式・草案です。実際の契約には必ず弁護士・司法書士・宅建士などの不動産専門家による最終レビューが必須です。生成結果の法的責任は業者側が負います。AI が 100% 正確でないため、特に特約・法的特殊事項については専門家の確認が不可欠です。

Q2: 売買契約書の「業者売主」版と「標準」版は何が違いますか?

A: 売主が宅建業者の場合は「業者売主版」を選択してください。宅建業法による強化条項(クーリングオフ、手付金保全、瑕疵担保特約制限)が自動的に盛り込まれます。個人売主の場合は「標準版」です。

Q3: 重要事項説明書の同意はどうやって取得しますか?

A: ① 書類完成 → ② 買主に説明(対面 / Web 会議) → ③ 電子署名リンクをメール送付 → ④ 買主がスマートフォン / PC から署名 → ⑤ 完了。署名済み書類は ULSAPO に自動保管(改ざん防止)。

Q4: 特約を複数追加したい場合は?

A: 特約ライブラリから複数の定型特約を「+追加」で順番に追加可能。カスタム特約も同時に混在利用できます。追加した特約は書類内で「第 17 条 特約事項」に自動整列されます。

Q5: 書類を修正したら監査ログに記録されますか?

A: はい。全ての修正が「誰が・いつ・何を・なぜ」で記録されます。書類詳細の「変更履歴」タブで確認可能。監査ログは最低 7 年保持され、改ざん・削除は不可(管理者権限でも)。

Q6: PDF 出力で改ページが崩れています。どうすればいい?

A: PDF 出力は A4 グリッド・印刷 CSS(#148)で最適化されています。ブラウザのズーム(100%)で出力してください。Chrome・Edge・Safari で動作確認済み。問題が続く場合はサポートまで。

Q7: 顧客が「データを削除してください」と言った場合は?

A: CRM で「論理削除」を実行してください。該当顧客・その書類は UI から非表示化されますが、DB には 30 日間保持され、その間に復旧可能。30 日後は自動で物理削除。監査ログ・同意保全は法的要件で 7 年保持。

Q8: 過去の契約書から新規案件に複製した場合、特約も一緒に持ってこられますか?

A: はい。複製時に「前回の特約設定を保持する」オプションがあります。確認・修正してから新規案件に保存できます。特約の統一化と効率化の両立が可能。