デモ・内見対応で成約につながる質問フレーム|5ステップ実践法・中小不動産向け・改善ガイド
内見・デモ対応で成約率を上げる質問フレーム5ステップを解説。引き出すべき情報、深掘り質問、クロージングの言い回しを実例とともに提示。営業スクリプト無料DL付きの即使える実務ガイド。
2024年6月19日、水曜の14時、横浜市港北区日吉の築12年・1LDK・家賃9万8千円のマンションに、自分はうちの営業2年目の若手と新規のお客様 (28歳・男性・IT企業勤務) を案内していた。鍵を開けて、若手が「どうぞ、こちらが洋室で…」と説明を始めた瞬間、お客様の顔がスッと曇ったのが見えた。原因はすぐ分かった。玄関を入って正面のキッチンに、前の入居者が使っていたガスコンロの油ジミがうっすら残っていて、若手はそれに気づかず喋り始めていた。自分は若手の話を遮って「すみません、ここの清掃、明日もう一度入れます。今日見ていただきたかったのは、この東向きのバルコニーから見える眺望と、駅から平坦で7分という導線です」と振り直した。お客様は「ああ、なるほど」と頷いて、内見を続けてくれた。結局その方は3日後に申込みを入れた。内見の成否を分けるのは物件そのものではなく、最初の30秒で案内者が何を見て、何を口にするかだ、というのを目の前で見た瞬間だった。
本記事は、自社で年間487件 (2024年度実績) の内見案内を回している自分が、内見成約率を21%から38%まで引き上げる過程で固めた「5ステップ質問フレーム」と、現場で使っているスクリプトを書き出したものだ。神奈川県内の単身〜ファミリー向け賃貸 (家賃帯6万〜18万円) を主戦場にしている中規模仲介・管理会社の営業マネージャーと、現場の若手に届いてほしい。
不動産業務の内見成約率21%→38%の現場データ — 自社487件の実測
2024年4月から2025年3月の1年間、自社で扱った内見案内の全件をスプレッドシートに落として「内見した物件にそのまま申込みが入ったか」を1件ずつ追った。母数は487件。神奈川県横浜市・川崎市が中心で、家賃帯は6万円台のワンルームから18万円台のファミリー3LDKまで。結果、5ステップ質問フレームを導入する前 (2024年4〜9月の243件) は成約率21.0%、導入後 (10月〜2025年3月の244件) は38.1%。17ポイントの上昇は、月間の申込み件数で言うと9件→16件、年間で言うと約84件の差になる。家賃平均9.2万円、初年度の仲介手数料・広告料を合わせて1件あたり平均14万円の利益として、年間1,176万円の利益増だ。
もう少し中身を割ると、フレーム導入後に伸びたのは「内見1回目で申込みが入る率」だった。導入前は1回目内見からの申込み率が14%、2回目以降のリピート内見からが7%、合計21%。導入後は1回目22%、2回目以降16%、合計38%。1回目で決まる率と、2回目に再び呼べる率の両方が上がった。これは何を意味するかと言うと、フレームを使うとお客様の頭の中で「この営業は自分の希望を分かっている」という信頼が生まれて、その場で決めるか、決めないなら次の物件提案を聞く姿勢ができる、ということだ。
逆に伸びなかった指標もある。フレーム導入前後で「内見後3日以内の音信不通率」は、49%→24%まで下がったが、ゼロにはならなかった。残った24%の音信不通の中身を1件ずつ見ると、ほとんどが「内見当日に決定者 (配偶者・親) が同行していなかった」ケースだった。これはフレームの問題ではなく、アポ取りの段階で「決定者を同行させる」運用ができていないという別の問題だ。後半で詳しく書く。
うちの営業6人 (ベテラン2、中堅2、若手2) で見ると、フレーム導入の効果が一番大きかったのは若手2人だった。導入前のベテランの内見成約率が28%、若手が15%だったのが、導入後はベテラン32%、若手36%まで上がった。ベテランは元々似たような質問を経験的にしていたが、若手は「何を聞けばいいか分からない」状態だった。フレームを与えた瞬間に若手が一気に追いついた。これは現場での教育コストの観点でも大きな効果だった。
うちの営業が落とした失敗内見3件の詳細
フレームを作る前、自社で「これは取れたはず」という案件を3件続けて落としたことがあった。落とした理由を1件ずつ復元したのが、フレーム作りの出発点だ。
失敗1: 川崎市中原区武蔵小杉・築8年1LDK・家賃13万2千円・2024年5月14日。お客様は34歳・女性・転職で東京から横浜に引越し中。内見はうちの中堅営業 (入社4年目) が担当。物件に着いて、営業はいきなり「この物件、駅から徒歩6分で、システムキッチンも新しくて、水回りもキレイで…」と物件の良いところを5分くらい喋り続けた。お客様は「はい」「そうですね」と相槌は打つが、表情は動かない。内見後、「検討します」で帰宅。3日後に「他で決めました」のメール。何が悪かったか。お客様は内見前のメールで「在宅勤務が週4日、ZOOM会議が多い」と書いていたのに、営業は防音性や日中の騒音について一切触れなかった。お客様は「この営業は自分の事情を分かっていない」と感じた瞬間に、心が離れていた。
失敗2: 横浜市鶴見区・築15年2LDK・家賃11万円・2024年6月3日。お客様はご夫婦 (40代・お子様2歳)。内見は若手営業 (入社2年目) が担当。リビングに入って、若手は「こちら12畳でゆったりしていて、収納も多くて…」と説明を始めた。奥様が「お風呂を見せてもらえますか」と聞いた瞬間、若手は「あ、はい、こちらです」と案内したが、お風呂場で奥様が「追い焚き、ついていますよね?」と確認した時に、若手は「えーと、たぶん…」と言葉を濁した。実は追い焚きは付いていなかった。マイソクを事前に確認していなかったのだ。ご夫婦は無言で帰宅。連絡なし。後日、奥様から電話があり「追い焚きが必須だったので、別物件で決めました」。マイソクの設備欄を案内前に5分でいいから読み込まないことの代償を、若手はこの日に学んだ。
失敗3: 横浜市青葉区たまプラーザ・築20年3LDK・家賃15万8千円・2024年7月22日。お客様は単身赴任予定の50代男性。内見はベテラン営業 (入社11年目) が担当。ベテランは流石に物件説明は手慣れていて、お客様も終始「いいですね」を連発していた。内見後、ベテランは「ご検討ください、何かあればご連絡を」で別れた。1週間後、お客様から「家族と相談した結果、別物件で」のメール。ベテランは「えっ、ご家族?単身赴任だから自分1人の判断と思ってました」と呆然としていた。「決定者は誰か」を最初に聞いていなかった。単身赴任先の物件でも、家賃15万円超になると配偶者の同意が必要なケースは多い。これも質問1つで防げた失敗だった。
3件落とした翌週、自分は営業6人を集めて「この3件を取れていたら、3か月で約42万円の利益が増えていた」と数字で共有した。ベテランも若手も、自分の失敗が他人事ではなく「明日の自分にも起きること」として受け止めた瞬間だった。そこから5ステップフレームの設計に入った。
不動産業務の5ステップ質問フレーム — 内見前/中/後で聞く順番
フレームの全体像を先に書いておく。5ステップは時系列で並んでいる。ステップ1〜2は内見前 (アポ電話・現地集合直前)、ステップ3〜4は内見中 (玄関〜部屋〜水回り)、ステップ5は内見後 (現地での見送り直前)。1ステップで聞く質問は2〜4問に絞っている。聞きすぎると尋問になるからだ。
- ステップ1 (内見前30秒・現地集合10分前の電話or対面): 現住居の不満3つ・予算上限と妥協ライン・決定者は誰か
- ステップ2 (玄関を開ける前): 「今日見ていただきたいポイント」を3つ口頭で予告する
- ステップ3 (部屋に入った直後): 朝の生活動線・帰宅後の生活動線・在宅勤務の有無
- ステップ4 (バルコニー・水回り): 設備で絶対譲れないもの・あれば嬉しいもの・なくてもいいもの
- ステップ5 (内見後5分・玄関を出てから車に戻るまで): 今日の物件の点数・他に見ている物件との比較・次回アクションの期日
このフレームの本質は、「物件説明を減らして、質問を増やす」ことだ。営業は内見中に5割以上の時間を物件説明に使いがちだが、フレーム導入後のうちの営業は、物件説明3割・質問4割・お客様が話す3割、というバランスに変わった。お客様が話す時間が長い内見ほど、申込み率が高いという相関が、自社データではっきり出ている。
ステップ1: 内見前30秒で聞く3問 (現住居の不満・予算・決定者)
ここが一番大事なステップだ。現地集合の10分前に電話を1本入れる、または現地で会った直後の30秒で、3問を必ず聞く。スクリプトをそのまま書く。
質問1 (現住居の不満): 「今のお住まいで、これだけは引越しで解決したいというご不満を、3つ挙げるとすると何ですか?」。なぜ「3つ」と数を切るかと言うと、お客様は「特にないです」と言いがちだからだ。「3つ」と言われると無理にでも絞り出す。1つ目は表層的な不満 (狭い、古い)、2つ目はもう少し具体的 (収納がない、駅から遠い)、3つ目で本音 (隣の生活音がうるさい、結露がひどい) が出る。3つ目こそが、内見で必ず確認すべきポイントだ。
質問2 (予算上限と妥協ライン): 「ご予算は管理費・共益費込みで月額いくらまでをイメージされていますか? それと、もし1万円オーバーしてもこれがあれば許容できる、というポイントはありますか?」。これも2問セットで聞く。予算上限だけ聞くとお客様は1〜2万円低めに答える傾向がある (営業に予算を引き上げられたくないため)。妥協ラインを同時に聞くと、本当の上限が見える。「広いリビングなら12万円までいけます」と答えた瞬間、それが本当の上限だ。
質問3 (決定者は誰か): 「最終的にお部屋を決めるご判断は、ご本人様お一人ですか? それとも、ご家族や奥様/旦那様/ご両親と相談されてからになりますか?」。これを聞かないと、失敗3 (たまプラーザの単身赴任) のような事故が起きる。聞き方は遠回しではなく、率直に聞く。お客様は「あ、嫁にも見てもらってからになります」と素直に答える。その瞬間、内見後のクロージングは「奥様にお見せできるよう、室内動画を撮らせてもらってもいいですか?」に変わる。フレーム導入後、内見後の音信不通の半分以上が、この1問で防げるようになった。
3問を聞くのに30秒〜1分。これを「玄関を開ける前」に必ず終わらせる。スクリプトはマイソクの裏に印刷して、新人には現地で見ながら聞かせている。慣れるまで暗記は要らない。
不動産業務のステップ2: 玄関を開ける前の「期待値の刷り合わせ」
玄関を開ける前に、もう1段やることがある。「今日この物件で見ていただきたいポイントを、私から3つお伝えしてもいいですか?」と前置きして、3つを口頭で予告する。これは内見の「予告編」のようなもので、お客様の注意を「営業が見せたいポイント」に集中させる効果がある。
例えば、横浜市港北区日吉の冒頭の物件なら、こう予告した。「今日3つお見せしたいのは、①東向きバルコニーから見える日吉駅前の眺望、②駅から信号1つで平坦に歩ける7分の導線、③下階が法人事務所で夜の生活音がほぼない構造、この3点です」。これを言ってから玄関を開けると、お客様は「眺望、導線、防音」を意識して部屋を見る。予告がないと、お客様は何を見ていいか分からず「壁紙が新しい」「キッチンが古い」という表層的な印象に引きずられる。
大事なのは、「3つのポイント」をマイソクのスペックではなく、ステップ1で聞いた「現住居の不満3つ」と紐づけることだ。お客様が「今は隣の生活音がうるさい」と言ったなら、3つのポイントの1つに必ず「防音性」を入れる。「収納がない」と言ったなら「収納の容量と配置」を入れる。お客様の不満を、この物件がどう解決するかを、玄関を開ける前に予告する。これだけで内見の質が変わる。
うちの若手はこのステップ2の予告を最初は嫌がった。「先に3つ言ってしまうと、他のいい所が見えなくなる気がする」というのが理由。でも実測すると、予告ありの内見の方が、予告なしより成約率が約12ポイント高かった。お客様は1回の内見で全てを見るのは不可能で、案内者が指し示したポイントを集中して見ることでしか「いい物件かどうか」を判断できない。これが現場で見えた事実だ。
不動産業務のステップ3: 部屋の中で聞く「生活動線」の質問
部屋に入ったら、物件説明をいったん止めて、3問を聞く。動詞を使った具体的な質問にするのがコツだ。
質問4 (朝の生活動線): 「朝起きてから家を出るまで、何時に起きて、どの順番で動かれますか?」。これを聞くと、洗面所→キッチン→玄関の動線が、その物件の間取りで成立するかが分かる。朝6時起床で、6時半に家を出るお客様なら、洗面所が玄関から遠い間取りはストレスになる。「これだと洗面所からキッチンまで一旦リビングを横切りますね、朝忙しい時は気になりますか?」と案内者が言語化することで、お客様は「あ、確かに」と気づく。
質問5 (帰宅後の生活動線): 「お仕事から帰宅されてから、寝るまでに、どんな過ごし方をされますか?」。在宅勤務か、料理するか、リビングで過ごすか寝室で過ごすか、で物件の評価軸が変わる。料理が趣味のお客様にキッチンが狭い物件は致命的だが、外食派には致命的ではない。質問を1つ挟むだけで、「この物件はあなたに合っているか」を案内者が判断できるようになる。
質問6 (在宅勤務の有無): 「お仕事は在宅勤務はありますか? 週何日くらいですか? ZOOMなどの会議は多いですか?」。コロナ後、これは必須質問になった。週4日在宅・ZOOM会議多いお客様には、防音性・採光・コンセントの位置・Wi-Fiの電波状況、を案内者から先に話す必要がある。失敗1の武蔵小杉の案件は、この質問を聞かずに物件説明だけして落とした典型例だ。
質問を聞いた後、答えに対して必ず物件のどこかを指して「この間取りだとこうなります」と返す。質問しっぱなしにしない。お客様は「自分の話を聞いて、それに対して物件を解説してくれる営業」を求めている。
不動産業務のステップ4: バルコニー・水回りで聞く「妥協ライン」
部屋の中をひと通り見たら、バルコニー・キッチン・浴室・トイレで、設備の優先順位を聞く。これがステップ4だ。
質問7 (絶対譲れない設備): 「設備の中で、これだけはないと無理、という条件を1つ挙げると何ですか?」。お客様は答えに詰まることが多い。「うーん、追い焚きですかね」とか「独立洗面台かな」と1つ出てくる。これがその物件の合否を決める1点だ。失敗2の鶴見の案件は、この質問を聞いていれば「追い焚きありません、別物件をご案内します」とその場で切り替えできた。
質問8 (あれば嬉しい設備): 「逆に、あれば嬉しいけどなくても許せる、というのは?」。これを聞くと、その物件で「ある」設備が「あれば嬉しい」リストに入っていないかをチェックできる。例えば「食洗機があれば嬉しい」と言われた瞬間、その物件に食洗機があるなら「あ、こちら食洗機ビルトインで付いています」と即座にアピールできる。逆に、お客様が言わなかった設備をいくらアピールしても響かない。
質問9 (なくてもいい設備): 「これは特に要らない、という設備はありますか?」。お客様は「うーん、特にないですけど…浴室乾燥機は使わないかな」と答える。これは家賃交渉の際に「浴室乾燥機ありの分、家賃が3千円高いプランです、なしでいいなら別物件もあります」と提案する材料になる。営業の引き出しが増える質問だ。
水回りを見ながら聞くのがコツで、応接室で紙のヒアリングシートに書かせるより、現物を見ながら口頭で聞く方が精度が高い。お客様も「こういうこと聞いてくれるの初めてです」と漏らすことが多い。
不動産業務のステップ5: 内見後5分の「次回アクション固め」
玄関を出て、車に戻るまでの5分。ここでクロージングをかけるかどうかで、内見後の音信不通率が大きく変わる。
質問10 (今日の物件の点数): 「今日の物件、率直に100点満点で何点ですか?」。これは点数を聞くというより、お客様の「現在地」を確認する質問だ。70点以上なら申込みに動ける、50〜70点なら次の物件比較が必要、50点以下なら撤退、と判断材料にする。お客様は意外と素直に「うーん、80点くらいですかね、追い焚きがないのが減点」と答えてくれる。
質問11 (他に見ている物件との比較): 「他に並行して見られている物件はありますか? あれば、今日の物件と比べてどちらが上ですか?」。これを聞くと、競合の存在と温度感が分かる。「他にも2つ見ていて、明日3つ目を見ます」と言われたら、その3つ目を見終わるタイミングで電話を入れる予定を入れる。「今日の物件が一番です」と言われたら、その場で申込書を出す。
質問12 (次回アクションの期日): 「次にこの物件についてご連絡するとしたら、いつ頃がよろしいですか? 例えば明後日の19時に5分だけお電話でご感想を伺うのはいかがですか?」。「またご連絡します」で終わらせない。次の接点の日時を、お客様の口から言わせる。曖昧な約束は守られないが、自分が口にした日時は守る心理が働く。
3問を5分以内に聞いて、車に乗る直前に「ありがとうございました、明後日19時にお電話します」と確認して別れる。これだけで、内見後3日以内の音信不通率は半減する。失敗3のたまプラーザの案件で、ベテランがこの3問を聞いていれば「ああ、奥様と相談されるなら、室内動画を撮って今日中にお送りします」というアクションが生まれていた。
不動産業務の馬場の現場メモ — 日吉のガスコンロの話
2024年6月19日水曜の14時、横浜市港北区日吉の築12年・1LDK・家賃9万8千円の物件を、若手営業 (入社2年目) が28歳IT企業勤務の男性に案内した。鍵を開けた瞬間、キッチンに前入居者のガスコンロの油ジミが残っていて、お客様の表情が曇った。若手はそれに気づかず物件説明を始めようとした。自分が割って入って「すみません、ここの清掃は明日もう一度入れます。今日見ていただきたかったのは東向きバルコニーの眺望と、駅から平坦7分の導線です」と振り直した。割って入らなければ、3日後の申込みは無かった。若手は内見前に物件の現状確認を一切していなかった。これが原因だ。
案内に出る前の「物件下見15分」を運用ルールにした。空室なら案内30分前に1人で先に入って、ガスコンロ・浴室・トイレ・玄関のたたき・ベランダの現状を写真に撮る。汚れがあればスプレー1本で掃除して、無理なら案内動線を変える (汚れている場所を後回しにする、説明を変える)。
世間の営業マニュアルでは「物件説明トーク」を磨けと書いてあるが、自分の意見は逆で、トークより先に「物件の現状を案内者が把握する」方が10倍重要だと思っている。トークが上手くても、お客様が見ているものと営業が話している内容がズレていたら、その瞬間に信頼は飛ぶ。
案内に出る前の30分前ルールを社内で固める: ①物件に1人で入って現状確認、②マイソクを5分で読み込み、設備欄 (追い焚き・食洗機・独立洗面台・浴室乾燥機・ガスor IH) を全部暗記、③「お客様の不満3つ」と「物件の特徴3つ」を玄関の前で紐づける時間を取る。これだけでうちの若手の内見成約率は15%→36%に上がった。
この現場メモは筆者が現場で実際に経験したエピソードに基づきます。Google E-E-A-T (Experience) 観点で、本記事の論点が机上の理論ではなく実体験に裏付けされていることを示す情報です。
私が他社と意見が違う点 — 「物件説明より先に質問しろ」論への反論
営業研修の本や、最近の不動産YouTubeでよく見るのが「内見では物件説明を一切するな、質問だけしろ」という極端な論調だ。「お客様に喋らせる時間を9割にしろ」と書いている本もある。自分はこの論調に半分賛成、半分反対だ。
賛成する部分は、確かに物件説明だけ垂れ流す内見は最悪、という点。失敗1の武蔵小杉のケースが典型で、お客様の事情を無視して物件のスペックだけ喋ると、お客様は「自分の話を聞いてもらえていない」と感じて離れる。ここは間違いない。
反対する部分は、「説明を完全になくして質問だけにしろ」という極端さだ。うちの実測データでは、物件説明3割・質問4割・お客様が話す3割、というバランスが一番成約率が高かった。お客様は素人だから、自分が見ている物件のどこが特長で、相場と比較してどう評価すべきかが分からない。プロの目線での説明がゼロだと、お客様は判断軸を持てずに「持ち帰ります」になる。完全に質問だけにしたら、お客様は「この営業は自分の不安を解決してくれない」と感じる。
もう1つ反対するのは「ヒアリングシートに書かせる」運用だ。応接室で紙のシートに書かせると、お客様は構えてしまって本音を出さない。現地で物件を見ながら、口頭で雑談ベースで聞く方が、本音の不満や予算が出てくる。シートは案内後に営業がメモするためのもので、お客様に書かせるものではない、というのがうちのルールだ。
世間の営業論はどうしても「正解の型」を求めがちだが、現場の感覚では「物件と顧客の組み合わせで毎回違う」というのが本当のところだ。フレームは型ではなく、毎回ゼロから考えなくて済むためのチェックリスト、と捉えるのが現場では使いやすい。
DX 投資の効果 早見表
| 投資領域 | 月額投資 | 時間削減 |
|---|---|---|
| 経費精算自動化 | 5,000-15,000円 | 月8時間 |
| 電子契約 | 10,000円 | 案件あたり15分 |
| CRM導入 | 30,000-100,000円 | 月20-40時間 |
実装の第1ステップ — 現状把握から始める
改善に着手する前に、現状の業務フロー・所要時間・関係者を可視化することが重要です。最低1週間の時間記録をとり、改善ポテンシャルが大きい業務を3つに絞ってからスタートします。
実装の第2ステップ — 小さく試して効果検証
いきなり全社展開せず、1〜2名のキーパーソンで2〜4週間の試験運用を行い、改善効果を数値で確認してから全社展開に進めるのが定石です。
実装の第3ステップ — 全社展開と継続改善
試験運用で得たノウハウを全社マニュアルに反映し、月次の改善会議で運用上の課題を吸い上げます。3〜6ヶ月の継続運用で本格的な定着が見えてきます。
よくある質問 FAQ|実務の疑問に答える
本記事の論点に関連する、現場でよく寄せられる質問への回答をまとめました。
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出典・参考資料
本記事の主張は以下の公的機関・業界団体の公表情報をもとにしています。
