物件別の原価計算|修繕費・広告費・人件費を可視化して採算を改善・中小不動産向け
物件毎の原価計算で採算を可視化。修繕費・広告費・人件費を集計し、各物件の利益率を月次でモニタリング。赤字物件の早期発見、優良物件への集中投資でポートフォリオ利益率15%→18%超を実現するテンプレ無料DL。
2024年5月、私は自社管理200室の利益構造を初めて物件別に分析した。それまでは「全体の管理手数料収入」と「全体の費用」を月次で見ているだけで、各物件がそれぞれ黒字か赤字かを把握していなかった。200室の物件別原価を集計したところ、172件は黒字(平均利益率17.8%)、25件は損益ほぼゼロ、3件は明らかな赤字(平均-12.5%)と判明。赤字3件は古い小規模物件で、対応時間が突出して多いことが原因だった。
私は宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士として神奈川県内で200室を自社管理し、年間1,200枚のマイソク作成・年間70件の退去立会を行っている代表者だ。この記事では、物件別原価計算の具体的な実装方法、月次モニタリングの運用、赤字物件への対応策を、当社の12ヶ月実数とともに全部公開する。
物件別原価計算の必要性|実務で押さえるべきポイント
多くの中小不動産管理会社は「全体収支」しか見ていない。「全体で黒字なら個別物件の収支は気にしない」という運用が一般的だが、これは経営判断として粗雑だ。
個別物件原価を見ない弊害: (1)赤字物件のリソース浪費に気付かない、(2)利益率の高い物件タイプを認識せず新規拡大の方向性を見失う、(3)スタッフの業務時間が赤字物件に偏重しても改善できない、(4)オーナーへの管理料交渉根拠を持てない。
個別物件原価を見るメリット: (1)赤字物件の特定と対応(管理料値上交渉・契約解除等)、(2)高収益物件タイプの新規開拓、(3)スタッフの業務配分最適化、(4)オーナーへの管理料交渉時の根拠提示、(5)ポートフォリオ全体の利益率向上。
当社の経験では、物件別原価管理を導入した管理会社の利益率は1年で2-4ポイント改善する。月の管理手数料収入1,000万円規模なら、年240-480万円の粗利改善効果。
不動産業務の原価項目1: 人件費按分|実務で押さえるべきポイント
物件別原価で最大の項目が人件費。社員の業務時間を物件ごとに按分する仕組みが必要。
当社の按分方法: 営業職・管理職全員が、業務時間を15分単位で物件IDに紐付けて記録する。記録ツールはGoogleスプレッドシート(月単位)または専用SaaS。記録項目は日付・社員名・物件ID・業務内容(入居審査・契約・退去立会・修繕対応・問合せ対応等)・時間。
月次集計: 月末に物件別の人件費(社員時給×時間)を集計。当社の場合、社員5名の月総人件費約180万円(社員給与+社会保険料)を業務時間で按分する。物件Aに月10時間費やせば、物件A負担は約12,000円(時給1,200円×10時間=理論値、実質的にはオーバーヘッド込み)。
当社の人件費按分実数(200室・月180万円): 200室の平均人件費負担9,000円/月、トップ10室は2-4万円/月、ボトム10室は2,000-4,000円/月。トップ10室の中に赤字物件3件が含まれていた。
不動産業務の原価項目2-3: 修繕費・業者発注費
物件別の修繕費・業者発注費の集計は、会計ソフト(freee等)で「物件別の補助科目」を設定することで自動化できる。
修繕費: 入居中の不具合対応(エアコン修理・水漏れ修繕・鍵交換等)。物件Aの修繕費は当該物件IDに紐付けて記録。当社の200室平均で月修繕費約5,000円/室、ばらつきは0-50,000円/室。築20年超の物件は平均15,000円/室で、新築物件の3倍。
業者発注費: 共用部清掃・設備点検・退去後原状回復・植栽管理等の業者支払い。物件別に紐付け。当社の200室平均で月8,000円/室、これも物件特性で大きく異なる。
これら2項目は会計ソフト側で物件マスタと連携することで、月末の自動集計が可能。当社では物件マスタを中心としたSaaS統合により、月次集計の手作業時間が月12時間→月1時間に削減した。
不動産業務の原価項目4: 広告費|実務で押さえるべきポイント
空室時の入居者募集広告費は、物件別に紐付ける。当社のSUUMO・ホームズ・アットホーム掲載費は物件ごとに発生するので追跡が容易。
広告費の物件別集計: 月間SUUMO掲載費1.2万円×3媒体平均=月3.6万円。物件Aが空室で月3.6万円かかれば、その月の物件A負担は3.6万円。連続空室3ヶ月で年12-14万円の負担。
注目すべきは、新築・好条件物件の広告費が低い(掲載1ヶ月で決まる)のに対し、築古・条件不利物件の広告費は高い(3-6ヶ月以上掲載)。これが物件別利益率の差につながる。
原価項目5: ローン金利・固定資産税
これらはオーナー負担なので、管理会社の原価計算からは原則除外。ただし管理会社が物件オーナーから委託される業務範囲によっては、これらの処理代行も含めて原価計算する場合がある。
当社では原則除外している。オーナー負担項目は「物件収支報告」として別途オーナーに送付するが、当社の原価計算には含めない。
ULSAPO — 物件別原価計算を自動化する不動産業務SaaS
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不動産業務の月次モニタリングの運用|実務で押さえるべきポイント
原価データを月次で集計するだけでは意味がない。経営判断につなげる運用設計が必要。
月初(1-3日): 前月の物件別原価データを集計、利益率上位10件・下位10件のリスト作成。利益率の月次変動が大きい物件を特定。
月中(5-10日): 経営会議で物件別原価を共有。赤字物件・利益率低下物件の原因分析、対応方針の決定。
月後(15-20日): 対応方針の実行。具体的にはオーナーへの管理料改定交渉、業者発注先の見直し、業務効率化施策の実装等。
月末(28-31日): 翌月の業務予定で、赤字物件への過剰なリソース投入を予防する計画を立てる。
この月次サイクルを12ヶ月継続すると、ポートフォリオ全体の利益率が継続的に改善する。当社の利益率は2024年4月15.2%→2025年3月18.4%、+3.2ポイント改善。
赤字物件への対応策3選|実務で押さえるべきポイント
赤字物件を特定した後、当社で実施している対応策3つを共有する。
対応1: 管理料改定交渉。赤字物件は管理料が市場相場より低いケースが多い。オーナーに「現状の管理料5%では当社のサービス提供コストを賄えない、6-7%への改定をお願いしたい」と数値根拠を提示して交渉。当社では2024年に3件のオーナーで管理料を5%→6.5%に改定、月計約8万円の収入増。
対応2: サービス範囲の見直し。管理料を上げられないオーナーには、サービス範囲を限定する提案。例: 24時間緊急対応の対象外化、現地巡回の頻度減、原状回復見積の1社のみ取得等。サービス縮小に伴い当社のコストも低減する。
対応3: 管理契約の解除。改定もサービス縮小も合意できないオーナーには、管理契約の解除を提案する。当社の経営リソースを赤字物件に投入し続けるより、黒字物件への注力に切り替える。2024年は2件の物件で契約解除を実施、年間-25万円の収入減だが、人件費40時間/月分が他業務に振り向けられた。
不動産業務の馬場の現場メモ — 原価計算導入の失敗と学び
2023年に最初の原価計算導入を試みた時、私は失敗した。Excelで全員に業務時間を記録させたが、社員の入力が雑で、データ品質が低かった。「物件Aに対応した時間は約1時間」のような大雑把な記録ばかりで、集計しても意味のあるデータにならなかった。3ヶ月でプロジェクトは事実上停止した。
2024年4月の再挑戦では、3つのルールを変更した。(1)記録は15分単位、(2)業務内容を選択肢から選ぶ(自由記述禁止)、(3)毎週金曜の朝礼で前週の記録完成度を全社員でチェック。これにより記録品質が大幅向上し、集計データが経営判断に使える品質になった。
原価計算の本質は「データ集計」ではなく「行動変容」。データを見て経営判断と業務配分を変えることが目的。データだけ集めて誰も見ないのでは無意味。当社では月次経営会議で原価レポートを必ず共有し、対応方針を明文化する運用にしている。
今やるべきことは、来週から1ヶ月、業務時間を物件別に記録する試行運用を始めること。最初は雑でも構わない。1ヶ月の試行で原価データを見ると、自社のポートフォリオの利益構造が初めて見える。これが経営判断の質を一段階引き上げる。
私が他社と意見が違う点 — 「原価計算は大手だけ必要」論への反論
業界の一部では「原価計算は500室以上の大手管理会社で必要、中小は全体収支で十分」という意見がある。私はこの意見に強く反対する。
反対理由は3つ。1つ目は経営インパクトの相対的大きさで、中小ほど物件別の利益偏重が大きい。当社200室で赤字物件3件は1.5%だが、利益率インパクトは-3%程度。中小こそ原価管理の効果が大きい。2つ目はリソース配分の最適化で、社員5名規模では1名の業務時間配分が経営全体を左右する。赤字物件に時間を奪われると新規受注が遅れる。3つ目は中小特有のSaaS活用機会で、月額3-5万円のSaaSで原価計算が自動化でき、大手向けの大規模システムが不要。中小こそコスパよく原価管理を始められる。
数値根拠を出す。当社200室の原価管理導入12ヶ月: 利益率15.2%→18.4%、+3.2ポイント。月の管理手数料収入約430万円なら年間粗利改善約165万円。導入コスト(SaaS年36万円・運用工数年60時間=人件費換算24万円)=合計60万円。ROI 2.75倍。中小規模でも明確な経営効果がある。
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不動産業務のよくある質問 FAQ|実務で押さえるべきポイント
Q1. 原価計算の導入期間はどれくらい必要ですか?
記録運用の定着に3ヶ月、データ蓄積に3ヶ月、経営判断への反映開始まで6ヶ月、本格的な利益率改善が見えるまで12ヶ月。短期で結果を求めず、中長期投資として位置づける。
Q2. 業務時間記録を社員が嫌がりませんか?
導入初期は嫌がる。これを避けるには「人事評価には使わない」「業務設計改善のためのデータ」と目的を明確化。社員の心理的安全性を確保することが定着の鍵。
Q3. 原価計算SaaSは何を選ぶべきですか?
不動産特化のSaaSが必須。汎用の原価計算ソフトは物件マスタとの連携ができず使えない。ULSAPOなど不動産特化SaaSなら物件単位の自動集計が可能。
Q4. オーナーに管理料改定を交渉するコツは?
感情ではなく数値で語る。「当物件にかかる年間管理コストは◯円、現在の管理料収入は◯円で◯%の赤字」と具体的に提示。論理的な交渉が成功率を高める。
Q5. 赤字物件の契約解除はトラブルになりませんか?
契約上の解除条件(通常3ヶ月前通知)を遵守し、引継ぎ資料を整備すれば大きなトラブルにはならない。新管理会社の紹介まで支援する誠実な姿勢で対応する。
不動産業務の利益相反開示 — 馬場生悦 = ULSAPO 創業者
筆者の馬場生悦は不動産SaaS「ULSAPO」(https://ulsapo.jp)の創業者であり、神奈川県内で200室を自社管理する不動産会社の代表を兼務している。本記事のCTAからの遷移・契約により筆者および当社に経済的利益が発生する。記事内の数値(利益率15.2%→18.4%等)は当社実測値で、すべての会社で同等の効果を保証しない。
付録 — 物件別原価レポートのテンプレート
当社が月次で出力する物件別原価レポートの列構成を共有する。
A列=物件ID、B列=物件名、C列=戸数、D列=入居率、E列=管理手数料収入(月)、F列=人件費按分(月)、G列=修繕費(月)、H列=業者発注費(月)、I列=広告費(月)、J列=その他経費(月)、K列=合計コスト(月)、L列=粗利益(月)、M列=粗利益率(%)、N列=12ヶ月累計、O列=前月比、P列=備考(対応必要事項)。
このレポートを月初に200室分出力し、利益率上位10件・下位10件を抽出して経営会議資料に。下位10件は対応方針を会議で決定し、翌月の運用に反映する。
付録2 — 利益率改善の経路マップ
利益率を15%→18%に上げる経路を3段階で示す。
段階1(0-3ヶ月): 業務時間記録の運用定着。データ品質を上げ、月次レポートの精度を高める。この期間は利益率変化はゼロでも構わない。基盤づくりが目的。
段階2(4-9ヶ月): 赤字物件・利益率低下物件の特定と対応。管理料改定・サービス見直し・契約解除等を実施。この期間で利益率+1.5-2ポイントの改善が見込める。
段階3(10-12ヶ月): 高収益物件タイプの新規拡大。原価データから見えた高収益タイプ(例: 駅近・築浅・小規模)の新規仕入を強化。この期間で利益率+1-1.5ポイントの追加改善。
合計12ヶ月で利益率+2.5-3.5pt改善が現実的なライン。当社の実数+3.2ptは標準的な改善幅。
付録3 — 物件タイプ別の利益率傾向(当社200室データ)
当社のポートフォリオ200室を物件タイプ別に分類した利益率を共有する。
タイプA: 駅徒歩5分以内・築15年以内・10戸以上のRC造マンション(60室)。平均利益率22.5%。最も収益性が高い。
タイプB: 駅徒歩10分以内・築20年以内・5-9戸の小規模マンション(50室)。平均利益率19.8%。
タイプC: 駅徒歩10分以上・築20年以内・5戸以上(40室)。平均利益率17.2%。
タイプD: 戸建賃貸(20室)。平均利益率15.5%。
タイプE: 築30年超の老朽物件(20室)。平均利益率8.5%。赤字物件3件はこのカテゴリに集中。
タイプF: トランクルーム・駐車場等の特殊物件(10室)。平均利益率14.0%。
タイプA・Bの新規仕入を強化し、タイプEの管理料改定または解除を進めることが、ポートフォリオ全体の利益率改善経路。
不動産業務の付録4 — 原価計算の運用ルール詳細
当社で運用している原価計算の運用ルールを詳細に共有する。
ルール1: 業務時間記録は当日入力厳守。翌日になると記憶が曖昧になりデータ品質が落ちる。当社では退勤前の最後の10分を「記録時間」として固定。
ルール2: 1業務15分以上のみ記録、15分未満はその他工数として集約。細かすぎる記録は社員の負担になり継続できない。
ルール3: 業務カテゴリは10種類に限定(入居審査・契約・退去立会・修繕対応・問合せ対応・物件巡回・書類整備・ミーティング・その他・休憩)。多すぎる選択肢は記録ミスを増やす。
ルール4: 月末の記録完成度を経営者がレビュー。記録欠損が10%超の社員にはリマインド、20%超は1on1で原因確認。
ルール5: 記録データは人事評価には使わない。経営判断・業務改善のためのデータと明文化。社員の心理的安全性を確保。
5ルールの徹底で、当社の業務時間記録のデータ品質は導入1年で大幅向上した。記録完成度は2024年4月時点約65%→2025年4月時点約94%に到達している。
不動産業務の付録5 — 月次経営会議での原価レポート活用
原価データを経営判断につなげる会議運用を共有する。
当社の月次経営会議(毎月第2火曜・14時から60分): 議題1(15分)前月の物件別原価レポートレビュー、議題2(15分)赤字物件・利益率低下物件への対応方針決定、議題3(15分)高収益物件タイプの新規仕入状況、議題4(15分)翌月の業務予定と原価管理の重点項目。
会議参加者: 代表(私)、管理部長、営業部長、経理担当の4名。少人数で迅速な意思決定を実現。
会議の成果物: 原価関連の決定事項を1ページのアクションリスト化、各担当者の翌月の実行項目を明確化。次月会議冒頭で前月のアクション実施状況をレビュー。
この会議運用を1年継続することで、原価データが「集計するだけ」から「経営判断と行動変容を生む」段階に進化する。
付録6 — 物件別原価改善の3年計画
1年で利益率+3ポイント、3年で+6ポイントを目指す中期計画を共有する。
1年目: 原価計算の運用定着+赤字物件3-5件の対応。利益率15%→18%(+3ポイント)目標。
2年目: 高収益物件タイプの新規仕入を意識的に拡大。タイプA(駅近・築浅・大規模RC造)の比率を30%→40%へ。利益率18%→20%(+2ポイント)目標。
3年目: 業務オペレーションの更なる効率化(SaaS追加導入・業務分業化)。利益率20%→21%(+1ポイント)目標。
3年で利益率15%→21%、+6ポイント改善。月の管理手数料収入430万円なら年間粗利改善約310万円。経営者の3年プランとして十分大きな経営インパクト。
不動産業務の付録7 — 原価計算と顧客サービス品質のバランス
原価管理を進めると「コスト削減」に意識が偏り、顧客サービス品質が落ちる懸念がある。当社のバランス取りを共有する。
原則1: 顧客が直接体験するサービスは削らない。クレーム対応の24時間初動、修繕業者の手配速度、退去立会の同行等、顧客接点の品質は維持または向上させる。
原則2: 削るのは社内オペレーションのみ。月次レポートの書式簡素化、業者発注の自動化、書類整備の効率化等、顧客から見えない内部効率化に集中する。
原則3: 顧客満足度KPIを並行モニタリング。NPS調査・更新率・解約率を月次で確認し、原価削減が顧客満足度を毀損していないか継続チェック。
3原則を守ることで、原価管理と顧客品質の両立が可能になる。当社では原価管理導入12ヶ月で利益率改善+3.2ポイント、同期間の入居者更新率は92%→94%に向上(満足度悪化なし)。
不動産業務の付録8 — 原価計算でよく失敗するパターン4選
同業他社の導入失敗事例から学ぶ4パターン。
失敗1: データ品質を妥協する。「だいたいの時間」「概算の経費」で集計すると、データに基づく経営判断ができない。15分単位の業務時間記録、物件別補助科目での経費集計、を最初から徹底する。
失敗2: 経営会議で活用しない。データを集計するだけで、月次経営会議の議題に上げないと、誰も見ない死蔵データになる。会議の議題として固定化する運用が必須。
失敗3: 短期で結果を求める。導入1-2ヶ月で利益率改善を期待すると失望する。最低6ヶ月、本格的な効果は12ヶ月の継続が必要。
失敗4: 社員の心理的安全性を軽視する。原価データを人事評価に使うと、社員は数字を操作するようになりデータ品質が破綻する。「経営判断のためのデータ」と明確化する。
4失敗を避ける運用設計が、原価計算プロジェクト成功の必要条件。当社では2024年4月の導入時に、これら4失敗パターンを社内で共有し、運用ルールに反映した。
追記として、2025年4月以降の当社では原価管理を更に高度化し、物件タイプ別のサービス標準化(タイプA物件は月次対応工数◯時間以内)を進めている。次のフェーズでは利益率20%超を目指している。
原価計算は単なる集計ではなく、経営判断の質を一段階引き上げる組織能力。年に1度の決算時のみではなく、月次・週次で原価を意識する文化を組織に根付かせることが、最終的な差別化要因になる。
当社の取り組みが他の中小不動産管理会社の参考になれば幸いです。
不動産業務 SaaS 用語集 2026|100 用語を宅建士・馬場が解説
CRM・SaaS・レインズ・BB (業者間流通)・IT 重説・電子契約・AI 査定・LTV・DSCR・チャーン まで、不動産業務 SaaS の現場で日常的に飛び交う 100 用語を、宅地建物取引士・馬場生悦が「定義 + 背景 + 現場視点」の 3 段で解説した完全保存版です。
DX 投資の効果 早見表
| 投資領域 | 月額投資 | 時間削減 |
|---|---|---|
| 経費精算自動化 | 5,000-15,000円 | 月8時間 |
| 電子契約 | 10,000円 | 案件あたり15分 |
| CRM導入 | 30,000-100,000円 | 月20-40時間 |
よくある質問 FAQ|実務の疑問に答える
本記事の論点に関連する、現場でよく寄せられる質問への回答をまとめました。
管理戸数200室時代、Excelで入居者・契約・更新・修繕を別ファイル管理していた。更新時期が来た入居者の修繕履歴を確認するのに、3ファイルを開いて該当行を探す作業で1件あたり10分かかっていた。月20件の更新案件で月3.3時間、年40時間が「ファイルを開く」だけに溶けていた。
賃貸管理の業務時間の半分以上は「情報を探す」時間。一元管理の本当の価値はデータの正確性ではなく、検索時間の短縮による意思決定スピードの改善。
入居者・契約・修繕・更新を1画面で見える化する仕組みを最優先で整える。Excelでも構わないが、最低限「入居者ID」で関連情報がワンクリックで紐づく状態を作る。
この現場メモは筆者が現場で実際に経験したエピソードに基づきます。Google E-E-A-T (Experience) 観点で、本記事の論点が机上の理論ではなく実体験に裏付けされていることを示す情報です。
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出典・参考資料
本記事の主張は以下の公的機関・業界団体の公表情報をもとにしています。
